自由人であったある黒人の話。
黒人だが自由人であったソロモンは人身売買されて奴隷となってしまいます。
ソロモンはそんな状況が到底受け入れることができませんでした。
周りの奴隷たちに自分は奴隷ではなく自由人であると叫んでも状況は思うとおりに変わりませんでした。逆に“お前が自由人であり文字を読んだり書いたりできることを誰にも知らせてはならない”と言われたソロモンはだんだん絶望の海に落ちいってしまいます。更に時間が経てばたつほど酷いところに売り渡されて行くばかりでした。しかし彼はとりあえず生き残れば、何時かは家族のところに戻って行くチャンスは来るという希望を決して諦めませんでした。しかし現実は辛いものでした。
同僚の苦しみを目の前にしても黙っていることほか何もできません。死に至るまで虐められる同僚を見ても知らんふりするほかありません。このような絶望的な状況の中で一体何が彼の生き残る力になったのでしょうか。それは彼の頭の中をいっぱい占めている家族のこと、故郷のことでした。やがて12年後が経ち彼は家族に帰ることになります。
時々“なぜあなたは生きているの?”と自分自身に問う時があります。言い換えますと“何があなたを生かしているの”との質問です。大変忙しい日常を送っておられると思いますが、しばらく立ち止まってじっくりとこのことについて考えて見てはいかがでしょうか。